Q、ゴルフのトレンドについて、プレー人口はどうなっていますか?
A、プレー人口は減っていますが、まだまだ多いです。
ゴルフ人口は、この「10数年」で2001年の1340万人から2014年の720万人と半分近くに減少してます。
バブル最盛期の平成元年、2年のピークの2020万人から見ますと3分の1くらいになった訳です。
ゴルフ関連の「市場」のデータを見ますと、平成2、3年頃から平成13年あたりの20年間で、「ゴルフ場」は1兆9600億円から9000億円に、「ゴルフ練習場」は3100億円から1300億円に、「ゴルフ用品」は6200億円から3400億円に大体半分くらい減少しています。
ゴルフ人口が減った要因はもちろん、この10年は景気後退や「デフレ」傾向にあり、ゴルフに関連するものだけでなく、食品や衣料、電化製品等々あらゆるものが安くなりました。
ゴルフ会員も「需要」と「供給」のバランスで相場が成り立っており、上記のゴルフ関連の市場より大幅に下がっております。
バブルの頃は、「ゴルフをされない方」が「どこのコースを買えば上がりますか?」という問い合わせもありました。
つまりゴルフをされない方までもが「投資目的」でゴルフ会員権を購入し需要が更に大きくなり相場の過度な上昇となりました。
ゴルフ会員権につきましては、確かにバブルの時の相場は「高過ぎる異常」ではありましたが、「倒産」「民事再生」等、破綻する事例が多くあり、現状の相場は「安過ぎる異常」とも考えられます。
考え方次第ですが、ゴルフのような本当に楽しいスポーツ、趣味が「お金のかかる」ものから「リーズナブル」で誰もが楽しめるものになったことは歓迎すべきことかもしれません。
プレーフィー、「ビジター」でプレーをする場合の料金も10年前、20年前に比べ安くなっております。
単純に「いくらくらい」「どの程度」は地域差がありますが、都心部から近いコースはさほど極端でないものの都心部から遠い地域(茨城県の一部・栃木県・群馬県・福島県あたり)は大幅に落ち、驚くような料金も最近は目にします。
上記に出てきた「破綻」についてお話します。
ゴルフ会員権は、一部「株券」もございますが「預託金証書」というコースが圧倒的に多いです。
この預託金というのは、市場で売却もできるが「預けてある金額(額面)をゴルフ場から返してもらえる」という性質のものです。
例えば、購入した会員券の額面(「返還請求」できる金額)が「50万円」で市場の相場が100万円であれば、どなたも返還請求せずに市場で売ることを考えます。
ところが「額面」が200万円で、市場の相場が50万円や60万円ならどうでしょう?
「返してもらえる権利」があることを理解すれば、当然「高い方」がいい訳ですのでそちらを選択するのでは。
一人や二人、5人10人なら大きな金額になりませんが、100人200人となりますと莫大な金額になりゴルフ場も対応ができなくなり返すことが物理的に不可能になってきます。
額面の金額が高ければ高いほど、債権者(メンバー)は裁判を起こしてでも何とか取ろうし、ゴルフ場は行き詰まり民事再生や会社更生に追い込まれることになりました。
民事再生、会社更生後は、今までの会社から新しい会社に運営が変わります。
基本的にどういう形の破綻であれ、従来のメンバーは「プレー権」はよほどのことが無い限り残ります。
まず、「ゴルフ場」はある意味「特殊」で、既にそこにゴルフができるコースそのものがあります。
これをすぐ「土地の売却」「マンションの建設」と考えるよりそのまま利用する方がメンテナンス(手入れ)は必要なもののリスクが少なくすぐに「営業」ができやり方次第で収益も上げられます。
多くのゴルフ場が破綻しておりますが、上記の理由でコースが閉鎖になるケースは数える程しかありません。
PGM(パシフィックゴルフマネジメント)やアコーディアという外資系は、おのおの100コース以上を傘下におさめ運営しております。
この2つが運営するコースはそれぞれ「特典」もありいい面もあることは否定できません。
民事再生により多くのコースは「元の額面」から大幅に(90%以上)額面をカットしてますが、「名義変更料の額面からの充当」や「メンバーの何親等以内の入会の優遇」等、様々な工夫を試みております。
数は少ないですが、浜野ゴルフクラブや東松山カントリークラブのように「メンバーが運営するコース」になったところもあります。
一般論ですが、「営利目的」ではなく、メンバーのことを一番に考えるコースですので居心地が良いコースち言えます。
Q、過去の会員権っていくらくらいなの?
A、
ゴルフ会員権の相場が一番高かったのは、「平成2年」のいわゆる「バブル最盛期」でした。
「最高値」は、小金井カントリー倶楽部(東京)の3億6000万円をはじめとし、よみうりゴルフ倶楽部(東京)の3億円、相模原ゴルフクラブ(神奈川)の1億7000万円、鷹之台カンツリー倶楽部(千葉)・戸塚カントリー倶楽部(神奈川)の1億5000万円等々、1億円を越える相場のコースが20コースを越えました。
この頃の日経平均株価は、「4万円近く」までになりました。
その後、現在に至るまで「優良なコース」で軒並み「10分の1」、破綻等のコースは100分の1になりました。
「高過ぎた」会員権が「安過ぎる」会員権になりました。
背景には、バブル崩壊に始まり、景気後退、リーマンショック、デフレ時代突入と色々なマイナス要因がございます。
「安過ぎる」会員権の状況の中で、さすがに「このコースがこの相場なら買い」というコースもございます。
競争相手(他に買おうとする人が)が少ない状況であれば、更にお安く求めることができます。
様々な趣味・趣向の多様化、将来・未来に対する不安の中で、「掘り出し物」的な自身に合ったコース選びをすれば少なくても大きなケガをすることはないかと思います。
ゴルフ会員権は、「株券」「預託金証書」「会員証券(無額面)」の3つ種類があります。
株券は、そのコースが所有する土地やクラブハウス、資産の権利を有するもので、比較的「高額なコース」が多いと言えます。
小金井(東京)、相模原(神奈川)、鷹之台(千葉)、我孫子(千葉)、大利根(茨城)などがそれで、そのコースのメンバーにならなくても会員権(株券)を購入にし名義だけを書き換えし所有できるコースもあります。
預託金証書のコースがもっとも多く、これは「一番最初にコースから買った『預り金証書』(証券)を引き継ぐというものです。
この預託金証書の額面は安いものから高いものまであり、またその額面を「償還」できるできないという側面もありますが、「数万円から1000万円を超える」ものまで様々です。
安い額面のものは、40年、50年以上前の古いもの(「貨幣価値」も大きくかわっております。)か元々は100万円、200万円以上してたものが、民事再生等により「90%以上のカット」となり額面が激減したもののいずれかです。
ここ数年、破綻等により「額面がゼロ」になったコースの証券が、「会員証書」だけで証券そのものに金銭的な価値が全くないもので、20年、30年前よりは増えてきました。
どの種類であっても「現状の相場」で売ったり買ったりすることができます。
いくら「200万円」の額面のコースであっても償還に応じてなければ、30万円や50万円という相場でしか売ることはできません。